ツイストサーブ養成講座

5日間でツイストサーブを完全マスター)

1.ツイストサーブとは・・・

ツイストサーブとはどんなサーブでしょうか。1つずつイメージを膨らませていきましょう。

 

  (1) どんな軌道を描いて跳ぶのか。

フォアサイド・バックサイドからどのような軌道を描いていくかイメージしましょう。ツイストサーブの軌道は、山なりでボールがとんでいき、バウンド後大きく右に弾みます。相手が右利きの場合、バックの高い打点でとらなくてはならないため、非常に打ちにくくなります。また、ボールが遅いので、いろいろな利点があります。1つに、ネットに出るまでの時間を確保できる。また、最大の利点として相手がイメージしているボールの軌道と違うところにボールが弾むので、打点が狂います。今回の講座のキーワードは、イメージです。頭でしっかりとイメージしていけば、それだけ上達も早くなりますよ。

デュースコート(フォアサイド)でのツイストサーブはこのような軌道を描きます。

アドコート(バックサイド)でのツイストサーブはこのような軌道を描きます。

こんな軌道1

こんな軌道2


 (2) ツイストサーブの弾み方

どんな回転を与えるとそのように右に大きく弾むのか。ここでは、その回転のイメージを頭に焼き付けます。テニスは、すべてイメージが大切です。頭の中で自分がプレーしている姿を描くことができなければ、実際にそのショットを打つことはできません。まずは、実際にボールが右に大きくキックする回転のイメージを知りましょう。右に大きくキックとは、2つの要素に分けることができます。@ 右にキックする。A 大きく弾む。ということですね。それぞれに必要な回転の方向が違いますので、そのイメージを頭に叩き込んでください。実際にボールを用意して、同じような回転をボールに与えてイメージを強く持つと良いでしょう。

 

 

    @ 右にキックする

これに必要な回転の要素は、ねじれ回転です。言葉で聞くと難しそうですが、そんなことはありません。 頭にこの回転をイメージしてみてください。例えば、ヨーヨーを地面に置いた場合、どういうことになるでしょうか。回転のかかっている方向に転がりますよね。この回転があれば、右にキックします。

後ろから見た図

この回転がかかっていたら、後ろから見てこのような弾み方をします。

この回転が、バウンド後の右へのキックを生み出します。

ねじれ回転

ツイストサーブを後ろから見るとこんな弾み方

   A 大きく弾む

これに必要な回転の要素は、縦回転です。野球で言うところのカーブを頭に思い描いてください。カーブは、縦回転が強くかかっており、バッター手前で急激に縦に落ちます。テニスでも、バウンドする直前に縦に落下していれば、地面にあたってから当然高く弾みます。つまり、地面に当たる直前に地面と垂直になっていれば、弾み方も垂直に近づくということですね。

 

横から見た図

スライスやフラットなどは地面に浅い角度で当たるので下のような弾み方になります。

スピンサーブを横から見た図

スライスサーブを横から見た図

 

この@・Aの回転を併せることで、ツイストサーブが誕生します。はい、難しくて無理だと思った方。大丈夫です。これから簡単に打てるように特訓していきましょう。

2.特訓開始!!

  (1) ラケットをどのように動かすとそんな回転が生まれるのか・・・

体の構造上、縦回転は比較的簡単にかけられます。まずは、縦回転の練習からしましょう。縦回転を与えるためには、ボールを下から上にこすり上げればいいのです。ラケットを真上にぶん投げるイメージで、スイングするとうまくいきます。普通のサーブ(フラットやスライス)と違うのは、体を開いてはいけないということです。体を開いていくと、それにともなって、ラケットも左向きになります。そうすると、スライス回転はかけやすいけど、スピン回転はかけられません。体は、横向きを保ったままをイメージしてください。練1〜3については、フレームに当てるという練習ですので、実際にフレームに当たらなくてもいいです。あくまで、イメージがわいてきて、その体の使い方を正しく理解できれば大丈夫ですので安心してください。

 

後ろから見た図

 

スピンサーブの回転

ラケットの軌道は左のようになります。上に放り投げるようなイメージを持つと良いでしょう。

練1.ラケットを正しくスイングするための練習です。

イメージは、上から落ちてくるボールを下からハンマーで打つです。

ラケットの右側のフレームでボールを打ってみましょう!!

余計な体の動きはしたくありませんので、地面にヒザで立ってからやってみましょう。これで、ボールを下から捕らえるというイメージがわきましたよね?

練2.次に立って同じことをします。

イメージは、天井に釘を打つです。

同じですよね。体は、開かないでください。

あと、まっすぐ上に跳ばすためには、ボールが落ちてくるまで待ったほうがいいですよね

ボールをなるべく引き付けて、まっすぐ上に跳ぶ位置で当てましょう。

ちょうどラケットは、地面と平行な位でボールに当たります。

結構引き付けているのがわかりますね。

ボールは、前にとばなくても気にしないでください。

というか、この練習で跳んだらおかしいです。

練3.今度は、同じことをナナメ前方に向かってやってみましょう!

腕だけをナナメ方向にもっていくのは難しいかもしれませんが、こんなイメージはどうでしょう?

体ごとナナメに倒す!!

え?無理?そんなことはありません。

ナナメといっても、45度とかそんなに倒したら、本当に倒れてしまいます。

10度くらい傾ける感じで十分ですよ。

一番のポイントは、ボールを少し前方にトスするです。

よく、ボールを後ろにあげて、背中を反らして打ちましょうなどというコーチがいますが、それは無理です。

自分が、体を傾けただけ、トスをナナメ前方にするだけでいいのです。

練4.練3で行ったことを頭でイメージしながら、今度はラケットの面で当てて見ましょう。

動かし方を変えてはダメですよ。

どうでしょう?縦回転がかかりましたよね。

ここでも、まだボールがネットを越さなくてもいいですよ。

回転さえしっかりとかかっていれば十分です。

さあ、ここからネットを越す練習です。今までは、力の加減をしてラケットを振っていたと思いますが、スピン系のサーブを打つときの鉄則があります。それは、ラケットは常にフルスイングすることです。え?そしたら入らないじゃない!というかもしれませんが、むしろ加減をしたら毎回スイングが安定しないのと威力が回転に行ってしまうために、ネットを越さなくなります。思いっきり振り、それを体に覚えさせることでツイストサーブは、安定したサーブになるのです。よく、緊張したときにビビッてサーブをフォルトするなんてことありますよね。人間は、緊張したときに体のいろいろな部分に余計な力が入ってしまう生き物です。ただし、力が入らなくなるということはありません。よく火事場の馬鹿力ということばを聞きますが、これは人間が極限状態になったときに力が入りまくるよい例だと思います。力強い動きというのは緊張に左右されにくいということです。つまり、フルスイングで入るサーブを身に着けることで、セカンドサーブに絶対の自信を持つことができ、その結果、ファーストサーブを思いっきり勝負できるということにもつながります。ツイストサーブをはじめ、スピン系のサーブの特徴として、ラケットを振れば振るほど回転量が増えるということがいえます。回転が強くなれば、当然相手コートに入る確率も上がりますよね。だって、ネットを越えさえすれば、そこから、ボールが急激に落下してくれるのですから。これで、ネットを越えることさえできれば、勝ったも同然だということがお分かりいただけましたでしょう。それでは、いよいよ練習5に入りたいと思います。


練5.思いっきり振りぬいて回転をかけましょう。

今度は、ネットを越すことを意識してください。

ポイントは2つあります。

1つは、トスの上げ方です。

トスは、腕全体を使って上げてください。

手首を使ったり、膝の曲げ伸ばしを利用してトスを上げるとボールが安定しません。

左腕を曲げずに、そっとボールを上に置いてくるようなイメージでトスを上げましょう。

そして、練習4で打った打点でボールを思いっきり振りぬきます

筋力のある人ならば、トスを上げたときに膝を曲げてタメをつくり打つ瞬間に地面をしっかりと蹴ってください。

そうすることで、ボールに更に力が加わり、威力が増します。

はい、これでスピンサーブの完成です。

今までの練習で、スピンサーブは打てるようになりましたか?

頭の中で、しっかりとイメージを入れておければ、後は体で覚えられます。

今までやったことのない動きを体がするわけですから、その動きを完全にマスターするまでは時間が必要です。

大切なのは、イメージを持ちながら、スイングをするということです。

さあ、大変お待たせいたしました!いよいよねじれの回転(右にキックするための回転)をかける練習方法の登場です。

ねじれの回転をかけるには、ボールの左側を下から上に振りぬく必要があります。

そんな動きはできるか!!と突っ込みを入れられそうですが、そういう人は、イメージが頭に入っていないということですね。1つずつ確認していきましょう。

練習6.ラケットの動かし方を確認しよう。

     ラケットの先端を意識して振りぬきましょう。

     手首をうまく使うことがポイントです。

この手首の上手な使い方を説明していきます。手首の使い方の意識は、ザ・タッチのギャグ、「ちょっと、ちょっとちょっと。」のときの動きをイメージしてください。あの手首のスナップをラケットを持った状態で行うのです。お分かりでしょうか?真似するのは、手首の動きだけですよ。腕や体も真似しないように・・・。あと、それに加えて頭の真上のハエを追い払う時の手のイメージもいいと思います。2つのイメージを合体させて見ましょう。ほら、ツイストサーブのラケットの動きの完成です。

ボールのどこを捉えれば良いのか。

それぞれの方向から見たラケットの振りぬく方向

(矢印が通る場所がラケットの中心の通る所)

うまく振りぬけると

こんな回転になります

左から見た図(ツイストサーブのラケットの動き)

後ろから見た図(ツイストサーブ)

ツイストサーブの回転イメージ

上の図のような回転がかかれば、あとはバウンド後右に大きく弾むと思いますよ。

次は、いよいよ実際にボールとラケットを使ってその回転をかける練習ですよ。

練習7.ツイストサーブ(スピン系のサーブ全般)を打つときに一番気をつけることは、何度か言いましたが“体を開かないで横向きを保つ。”
ことが言えると思います。イスに座ったまま打つ練習をしてみましょうか?

イスを右向きに置き、そこに座ります。そのまま、トスをあげて打ちます。

トスの位置は、上体だけで打つので頭の真上(よりちょっとだけネット方向)辺りを狙ってください。

このとき、@ ネットを大きく越すこと A ボールの左下側を捕らえること

この2点を特に意識しましょう。イメージが大切です。今までの練習の中のイメージは、確実に頭の中に入っていますか?入っていれば、その状態を想像しながら打てば、良いフォームで打てると思いますよ。もし、あまりにも右方向に跳んでいってしまうというのであれば、イスの向きを少しだけ左に向けてもう一度チャレンジしてください。何度か練習することで、何球に1度かでバウンド後に右に少し跳ねる球が混ざるはずです。ここで、弾まなくてもがっかりする必要はありません。まだ、イスに座って練習していますので、下半身の力を使っていません。ひょっとすると、下半身を使って打てば、回転に力が加わりツイスト回転がかかるかもしれません。イスに座った状態で、少しでもキックするサーブになったら、後は完成したも同然です。できるだけ、イメージを壊さないように何度か打って、そのスイングを体に覚えこませましょう。

練習8.正しい打点を理解しよう。

一言で言うと、打点は「左前方」です。よく、体の後ろにトスを上げるようにアドバイスを送る人がいますが、それは、ウソです。なぜならば、トスを後ろにするということは、前に跳ばす力を得られないだけでなく、背中を反らなくてはならなくなり、腰にものすごい負担がかかってしまうのです。図のように、体の軸よりも左側で、なおかつ体の前にトスを上げてください。

 

図.正しい打点はどこ?

ツイストサーブの正しい打点は?

3番の位置にトスを上げよう

 

練習9.実際にサーブを打ちましょう。今までの集大成です。

 チェック項目

注意事項

○×

@     トスの上げ方

腕を曲げずに上げているか。

膝の曲げ伸ばしで上げていないか。

 

A     トスの位置

左前方に上げているか。

 

B     体の向き

打ち終わるまで横向きを保っているか。

 

C     打点

頭の真上やや前方の左側で捉えられているか。

 

D     ラケットの振りぬき方

下から上に振りぬけているか。

ボールの左側をこすっているか。

 

 

すべての項目が○になれば、必ずツイストサーブが完成しているはずです。

もし、ボールがあまりにも右に行ってしまうならば、振りぬくときに前方への力を強めましょう。左に行くようでしたら、構えの時にスタンスをクローズドにして(体を横向きよりもさらに後ろ側にする)打ってみましょう。

 

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